創業融資を検討するとき、「連帯保証人は必要なのか」「会社の融資なら代表者保証が付くのか」は、多くの方が気になるポイントです。結論から言うと、現在は創業者が利用できる無担保・無保証人の制度が複数あります。ただし、金融機関や制度、会社の状況によって条件は異なります。
※本記事は2026年9月時点の制度情報をもとに更新しています。申請時は必ず各機関の最新条件をご確認ください。
この記事では、創業融資における連帯保証人と代表者保証の違い、日本政策金融公庫や信用保証付き融資の現在の取り扱い、保証なしで申し込む際の注意点をわかりやすく解説します。
創業融資では連帯保証人が必要?
創業融資で第三者の連帯保証人が必ず必要というわけではありません。日本政策金融公庫では、これから事業を始める方や税務申告を2期終えていない方について、各融資制度を原則として無担保・無保証人で利用できる仕組みがあります。
また、信用保証協会付き融資にも、一定の要件を満たす法人が経営者保証なしで利用できる制度があります。一方、通常の銀行融資や制度融資では代表者保証を求められる場合もあるため、申込前に条件を確認することが大切です。
代表者保証も「個人の連帯保証」の一種
法人が借入れをする際、代表者個人が会社の債務を保証することを一般に「代表者保証」または「経営者保証」と呼びます。これは、第三者の保証人とは別の立場ですが、法的には代表者個人が会社とともに返済責任を負う連帯保証です。
保証契約がある場合、会社が返済できなくなると、代表者個人の財産から返済を求められる可能性があります。契約書の保証範囲、解除条件、借換え時の扱いまで確認しましょう。
制度別に見る保証人の取り扱い
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方が対象です。新たに事業を始める方や税務申告を2期終えていない方は、各融資制度を原則として無担保・無保証人で利用できます。
融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)、返済期間は設備資金20年以内、運転資金10年以内です。実際の融資額や金利、返済期間は審査によって決まります。
信用保証協会付き融資
信用保証協会が保証し、銀行などが融資を実行する仕組みです。通常は法人代表者の保証を求められることがありますが、2024年から全国で始まった「スタートアップ創出促進保証制度」など、経営者保証を不要とする枠もあります。
横浜市の「創業おうえん資金」にも法人向けの「経営者保証不要特別」があります。融資限度額は3,500万円、融資期間は運転・設備とも10年以内、固定金利は年2.3%以内です。担保・代表者の連帯保証は不要ですが、初回の税務申告が未了の場合は、創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要です。
民間金融機関のプロパー融資
信用保証協会を付けないプロパー融資では、事業実績や財務内容、会社と代表者の資産・経理の分離状況などを踏まえて保証の有無が判断されます。創業直後は実績が少ないため、まず公庫や制度融資を検討し、実績を積んでから選択肢を広げるケースもあります。
保証人なしで申し込む際に確認されること
自己資金の金額と蓄積経緯
日本政策金融公庫には一律の自己資金割合はありません。ただし、預金通帳などを通じて、資金をどのように準備してきたかは重要な確認項目です。短期間に入金された見せ金ではなく、継続的に貯めた経緯を説明できる状態が望まれます。
一方、横浜市の「創業おうえん資金(経営者保証不要特別)」では、初回の税務申告が未了の場合に創業資金総額の10分の1以上という明確な要件があります。制度ごとに条件が異なる点に注意しましょう。
事業計画の実現性
売上予測だけでなく、顧客の根拠、価格設定、原価、人件費、家賃、返済後に残る資金まで説明できることが重要です。見積書や契約予定、業界経験など、計画を裏付ける資料も準備します。
資金使途と必要額
設備資金は見積書、運転資金は月ごとの資金繰り表を用意し、「何に、いつ、いくら必要か」を明確にします。必要額の根拠が曖昧な場合、希望額より減額されたり、審査が進まなかったりすることがあります。
個人と法人の分離
経営者保証を外す制度では、法人と代表者個人の資産・経理が明確に分かれているか、適時適切な情報開示ができるかも重視されます。会社口座と個人口座を分け、私的な支出を会社経費に混ぜない運用を徹底しましょう。
無保証人融資のメリットと注意点
メリット
- 事業が想定どおり進まなかった場合の個人負担を抑えやすい
- 法人と個人の資産を分けて経営しやすい
- 再挑戦しやすい環境づくりにつながる
注意点
- 無保証人でも返済義務がなくなるわけではない
- 審査結果によって希望額や返済条件が変わることがある
- 信用保証料や制度上の上乗せ保証料がかかる場合がある
- 虚偽申告や資金使途違反があれば、別途責任を問われる可能性がある
「保証がないから簡単に借りられる」という制度ではありません。事業計画や返済可能性は通常どおり審査されます。
よくある質問(FAQ)
Q. 家族や知人を連帯保証人にする必要はありますか?
現在の創業者向け制度では、第三者保証人を不要とするものが一般的です。ただし、利用する制度や契約内容によるため、金融機関から提示される条件を確認してください。
Q. 日本政策金融公庫なら必ず無保証人ですか?
新たに事業を始める方または税務申告を2期終えていない方は、各融資制度を原則として無担保・無保証人で利用できます。それ以外の方や一部の制度では条件が異なるため、公庫の担当窓口で確認しましょう。
Q. 自己資金ゼロでも申し込めますか?
制度上、一律の自己資金割合が定められていない融資もありますが、自己資金の有無や準備経緯は計画の実現性を判断する材料になります。また、横浜市の経営者保証不要特別のように、条件によって10分の1以上を求める制度もあります。
Q. 保証人を付ければ審査に通りやすくなりますか?
保証人の有無だけで融資の可否が決まるわけではありません。事業計画、返済可能性、自己資金、経験、信用情報などが総合的に確認されます。保証を付ける前に、まず利用できる無保証人制度を比較しましょう。
まとめ
現在の創業融資では、連帯保証人や代表者保証を付けずに利用できる制度が以前より増えています。特に、日本政策金融公庫の創業期の取り扱いや、横浜市の「創業おうえん資金(経営者保証不要特別)」は有力な選択肢です。
ただし、制度ごとに対象者、自己資金、保証料、申込手続きが異なります。保証の有無だけで選ばず、総返済額や資金調達までの期間、必要書類を含めて比較しましょう。
創業融資の保証条件でお悩みの方へ
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